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令和5年度

 

最優秀論文賞・大崎賞

「PCI術者の水晶体線量のリアルタイム測定に関する初期検討」

日本放射線安全管理学会誌, 22巻1号, 10-18, 2023

加藤 聖規   東北大学

共著者: 藤沢 昌輝, 服部 兼進, 山田 歩実, 芳賀 喜裕, 加賀 勇治, 阿部 美津也, 稲葉 洋平, 千田 浩一

2011年にICRPより組織反応に関する声明が発表され,我が国においても放射線作業に従事する者の水晶体の等価線量限度が100 mSv/5年,50 mSv/年に見直された.このように眼の放射線防護を強化する必要性が高まっている状況にある中,特に医療従事者の被ばくが問題となっている.本研究は,PCI(経皮的冠動脈インターベンション)における術者の水晶体の被ばく線量についてリアルタイム線量計を用いて評価することにより,撮影時線量と透視時との線量の違い,術者の顔の位置と線量率との関係,天吊り防護板の使用効果等について検討するなど,新たな試みであるとともに実用性も高く,放射線安全管理上きわめて有用なものである.この点,本学会として高く評価できるものであり,最優秀論文賞・大崎賞を授与するに値するものである.


技術賞

「ベクレル/シーベルトサーベイメーターと実用測定量」

日本放射線安全管理学会誌, 22巻2号, 62-71, 2023

河野 孝央  株式会社日本遮蔽技研

 放射能汚染土壌などを取り扱う作業現場等において,放射線量の測定についてはポータブル線量計を用いて作業者自身で容易に行うことができる.それに対し,放射能の測定では,一般には遮へい体等を含む大型機器を要するとともに定量値を出す方法も複雑となり,作業者が自ら行うことは困難である.本研究は,取扱いが容易な線量計と同じような取扱い方法で放射能と放射線量を同時に測定することができる装置の概念設計を行ったものである.放射能測定における測定値が過小評価される原因を追及するとともに,放射能の上限値と下限値を表す不等式を導いて評価することを考案して実用化への方向性を示した点,本学会として高く評価できるものであり,技術賞を授与するに値するものである.


-以上-

 

 

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