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会長就任挨拶

名古屋大学アイソトープ総合センター
会長 柴田理尋

 第9期、会長を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。 第12期の会長を拝命いたしました柴田理尋です。どうぞよろしくお願い申し上げます。私自身は、大学院生の時に共同利用施設で、収率の小さい核分裂生成物を分離して壊変特性を測定するという研究で放射線・放射能との付き合いが始まりました。自分の実験のことばかり考えていたときに指導教員に、君が収率の小さい核種を目的にしている分、発生したRIのほとんどは放射線廃棄物として処分される、それも大変な手続きを経て、と教えられまた。廃棄物だけでなく、実験の受け入れから被ばく管理に至るまで、実に多くの方々に支えられていることに改めて思い至り、研究する立場としては、最後まで論文を書くことが大事なことだと思った次第です。今回、今までお世話になり続けた身として恩返しができればと思いますが、当学会は、放射線に関する名だたる専門家の方々が会長を務められ、学会発展に力を発揮してこられましたのに対して、私は周りに支えられるばかりで時宜に適った修行を積んできておりませんので、本当に力不足ではございますが、力を尽くしたいと考えております。
 放射線・放射能に関連する学協会のなかでも、当学会の強みは日々施設の維持管理に携わっているかたが集まっていることと感じています。生命理学等の分野で規模が縮小しているものの医学薬学分野は、新しい薬剤開発に向けて近年急成長しています。また、廃炉等に向き合う素養を持つ人材の育成と教育及び技術開発の場としても、放射線施設は必要不可欠なものです。それらの分野が放射線利用研究を牽引することで裾野が広がり、新たな分野が生まれる可能性も秘めています。そのような中、当学会は、ノウハウで共有してきた様々な問題点を共有するだけでなく、研究と管理の両方に取り組むことによって放射線安全管理に研究の視点を取り入れて学問として位置づけることを目指して行きたいと考えています。
 RI規制法を始め放射線関連法令は時代の流れとともに厳しくなっています。一方で、DX等の新しい技術を取り込む動きもありますが、管理に携わる人にとっては予算的に厳しい状況にもなりつつあります。今まで、保健物理学会とは数回にわたり学術大会の合同開催を開催してきました。多くの学協会と共催や協賛を通して連携を強化し、合理的な法令対応を発信していけるようにしたいと考えています。
 学術としての情報発信を通して関心を持っていただくことで会員を増やし、さらなる学会の発展へ向けて会員の皆様のご協力とご指導を切にお願いいたします。

 

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