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令和4年度

 

最優秀論文賞・大崎賞

137Cs soil to rice transfer factor and soil properties: Fukushima and Kawauchi case study」

Radiation Safety Management, Vol. 21, 1-12, 2022

Wiseman Chisale Bekelesi   Hiroshima University

Triyono Basuki, Satoru Nakashima

 土壌からイネへの放射性セシウムの移行に関する研究は,風評被害の払拭にも関連し重要なものである.しかしながら,多くの研究ではある特定の地域に限定してその移行係数のみを求めているだけである.本研究では,福島市と福島から離れた川内村の水田土壌について調べ,両者で移行係数が大きく異なることを見出すのみではなく,各地域の土壌成分について詳細に検討し,交換態カリウムや雲母鉱物の含有量の違いから考察し,一般に受け入れることができる結論を導いている.この点,本学会として高く評価できるものであり,最優秀論文賞・大崎賞を授与するに値するものである.


技術賞

「同時使用の制限を行うグループ別管理の導入とその実践のための取り組み」

日本放射線安全管理学会誌, 21巻2号, 64-68, 2022

今田 結  岡山大学

共著者: 磯辺 みどり, 永松 知洋, 寺東 宏明, 花房 直志

 大学等のRI施設の利用形態はさまざまであり,以前よりコンスタントに使用されてきている核種もあれば,新たに利用されるようになり,それがさらに広がりを見せる核種もある.他方,一度限り多量に使用されるにとどまる核種もある.どのような利用にも答えられるような使用数量の設定をするのはハード面を考えれば困難である一方,使用数量を管理するのにもかなりの労力を要する.本研究では,この数量管理をより簡便に,かつ,正確に行うためにグループ別管理の導入を提案し,その有効性を示している点,本学会として高く評価できるものであり,技術賞を授与するに値するものである.


研究奨励賞

「新型ハイブリッドサーベイメータの基本特性  -空間散乱線量の測定に関して-」

日本放射線安全管理学会誌, 21巻1号, 2-9, 2022

大森 悠斗  東北大学

共著者: 石沢 祥子, 川口 和奏, 巻 周星, 山田 芙美香, 村林 優樹, 稲葉 洋平, 千田 浩一

 周知のように眼の水晶体の等価線量限度が見直され,2021年4月1日,我が国においても新たな線量限度が適用されることとなった.これに関連し,本論文では,医療従事者の眼の水晶体の被ばくが主として被写体からの散乱線によるX線主体の被ばくであることに着目し,近年発表されたハイブリッドサーベイメータの種々の特性についてユーザーの立場で検討している.その検討項目は,再現性,エネルギー依存性,線量率依存性,線量直線性,方向依存性のように多岐にわたっており,データの取扱いも丁寧であり,今後の活躍が期待できる.よって,本学会として研究奨励賞を授与するに値するものである.


-以上-

 

 

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