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平成28年度

 

技術賞

「様々な核種が浸透したコンクリートにおける各元素の深度分布の推定」


日本放射線安全管理学会誌 第15巻、第1号、46-51、2016

清水建設(株)技術研究所 木下 哲一

共著者 大石 晃嗣、鳥居 和敬、末木 啓介、横山 明彦

 福島第一原発事故による、建屋内の汚染水に接触しているコンクリートでは、放射性物質がコンクリート内に浸透していることが懸念されている。 しかし、コンクリートに汚染水が浸透した場合の汚染状況の深度分布に関する研究データは少ない。 木下 哲一氏は85Sr, 137Cs, 238U, 242Pu, 241Amの放射性核種を用い、 粉末化したモルタルおよび骨材への分配平衡定数を測定し、 コンクリートにおける様々な核種の浸透を分配平衡に基づいたモデル式を作成し、 粉末化したモルタルを詰めたカラムに既知量のそれぞれ5核種のRI溶液を浸透させて得られた実験による深度分布がモデルにより推定された深度分布と一致した。 その結果、コンクリートのモルタル部分への核種の浸透度が推定できることがわかり、特に、Srの深い浸透が懸念されることが明らかになった。 以上のように、コンクリートの汚染水による各核種の深度分布の推定ができることはコンクリートの除染作業に貴重な情報をもたらすものであり、 本学会にとって評価できる。



技術賞

「USB通信機能付線量計を用いた放射線量常時監視システムの構築」


日本放射線安全管理学会誌 第15巻、第1号、93-99、2016

信州大学基盤研究支援センター 廣田 昌大

共著者 杉本 勇二、森 一幸、水野 裕元、黒木 智広

 放射線施設では、管理区域内や管理区域境界、事業所境界等において放射線量を定期的にモニタリングすることが義務付けされている。 定期モニタリングに加えて、放射線量を常時モニタリングし、施設内やその周辺の放射線量を継続的に示すことは、 周辺住民等の放射線施設に対する不安の解消に効果的である。 廣田昌広氏は放射線モニタリングによる常時測定を、従来の高価なエリアモニタ装置を使用するのではなく、 定期モニタリングで使用するサーベイメータや線量計等の小型でUSB通信機能付線量計と汎用のネットワーク機器およびPCをLANケーブルで結んだ放射線常時監視システムを構築した。 その結果、5か所を常時モニタリングできる簡易型エリアモニタシステムを約150万円と非常に低コストで設置できた。 この成果は予算の少ない小規模放射線施設において、貴重な情報であり、本学会とって評価できる。

-以上-

出版物

学会誌/邦文誌(J-STAGE)
学会誌/英文誌(J-STAGE)
放射線施設廃止の確認手順と
放射能測定マニュアル
(改訂準備中)


原発事故由来の放射性物質
拡散に対する取り組み


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