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令和2年度

 

最優秀論文賞・大崎賞

「Transfer Rates of 225Ac to Exhaust Air, Surface, and Waste Water under Chemical Operations」

Radiation Safety Management, Vol. 19, 35-48, 2020

Tomoo Yamamura  Kyoto University

Co-author: Kenji Shirasaki, Hidetoshi Kikunaga, Kojiro Nagata, Zijian Zhang, Koshin Washiyama, Atsushi Toyoshima, Takashi Yoshimura, Atsushi Shinohara

 225Acは、アルファ線核医学治療薬の核種として全世界的に注目されている。 一方で、RI法の告示別表で示されている空気中濃度限度等の数値が非常に小さいために、各放射線施設ではその使用量を多くすることが難しいという問題があった。 本研究は、225Ac及びその子孫核種の飛散率を初めて実験的に導出し、その数値が、非密封RIの使用許可申請における評価において原子力規制委員会の通知に基づき一般的に使用されている数値に比べて2桁以上小さいことを明らかにした。 この成果は学術的に高い価値をもつだけでなく、非密封RIの飛散率を適切に評価することにより安全性が確保された状態で使用量を増やすことができることを示唆しており、各施設でのRI使用許可について合理的に評価する重要性を示すものである。 本研究の成果は、本学会が承認した短寿命放射性核種の利用における安全確保のためのガイドライン作成に繋がっており、本学会として高く評価できる。


研究奨励賞

「Dispersal Rate of Radon-219 from Aqueous Radium-223 Solution Containing Sodium Chloride/Citrate」

Radiation Safety Management, Vol. 19, 1-9, 2020

Kojiro Nagata  Osaka University

Co-author: Kenji Shirasaki, Atsushi Toyoshima, Kazuhiro Ooe, Tomoo Yamamura, Atsushi Shinohara, Takashi Yoshimura

 本研究は、実際に臨床利用されている治療薬と同一成分の223Ra水溶液試料からの223Ra及びその子孫核種の空気中への飛散について調べている。 その結果、飛散の原因は219Rnに由来し、223Raとしての飛散は無いこと、容器の口径を小さくするとともに219Rnの飛散率が小さくなることを実験的に示した。 本研究の成果は、高い学術的価値をもつだけでなく、医療現場や研究において実際に利用する際の放射線安全管理・ 放射線防護に対する有益な情報を含んでおり、本学会が承認したガイドラインの作成にも繋がっている。 そのため、本研究は本学会として評価できる。



研究奨励賞

「Investigation of Radiocesium Migration from Land to Waterbody using Radiocesium Distribution and Soil to Sediment Ratio: A Case of the Steep Slope Catchment Area of Ogi Reservoir, Kawauchi Village, Fukushima」

Radiation Safety Management, Vol. 19, 23-34, 2020

Triyono Basuki  Hiroshima University

Co-author: Wiseman Chisale Bekelesi, Masaya Tsujimoto, Satoru Nakashima

 本研究は、福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性セシウムの挙動に関し、山間部の集水域を囲む斜面から集水域への移行を調べている。 現状は、狭い地域での限られた条件に留まっているが、放射性セシウムの移行に関して一つの指標を与える貴重な成果であり、高い学術的価値がある。 また、放射能漏洩事故による放射性セシウムの移行に関する研究は環境中に放出された放射性物質の管理に対して有用な情報を与えるものであり、今後も継続的に研究を進めることで更なる成果が期待できる。 そのため、本研究は本学会として評価できる。



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