平成21年度
技術賞
「短半減期核種付着固体廃棄物のクリアランスに関わる中間報告に示された施設条件の実効性の検討」
日本放射線安全管理学会誌 第8巻、第1号、43-50
富田 悟、實吉敬二
東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター
【受賞理由】
放射線障害防止法へのクリアランス制度の導入に向けた検討が行われている。
短半減期核種と長半減期核種を分別して管理すると、非密封RI廃棄物のクリアランスを行いやすくなる。
富田悟君は、「クリアランス制度の整備に係る技術的検討中間報告」に基づき、
実際の施設で半減期の異なる核種の分別管理を試みた研究である。
この研究は施設の管理のあり方について一石を投じた。これは本学会にとって評価できる。
技術賞
「Preventative Maintenance of Drainpipes in Radioisotope Facility Using Flexible Hose」
Radiation Safety Management, Vol. 8, No. 1, 14-18
Tomoko Hiroi1), Shinobu Tatsunami1,2), Takio Yamamoto3), Rie Kuwabara1),
Hiroshi Kouyama1), Hiroaki Matsui1)
1)Institute of Radioisotope research, St. Marianna University Graduate School of Medicine,
2)Unit of Medical Statistics, Faculty of Medical Education and Culture,
St. Marianna University School of Medicine
3)Rad safe Technical Service Company
【受賞理由】
配水管が老朽化すると排水の漏洩が問題となる。
埋設型の場合、この修理は容易ではない。T. Hiroi君は、配水管中にフレキシブルホースを入れて排水漏れが無いように工夫した。
これは、施設の維持管理において低コストで迅速に対応できるとともに地震対策にもなる。
すなわち、古い施設の改善方法に妙案を与えた。これは本学会にとって評価できる。
研究奨励賞
「Response of a Radiophotoluminescence Glass Dosimeter to Low Energy X-rays Necessary for Mammography」
Radiation Safety Management, Vol. 8, No. 1, 8-13
Daisuke Maki1,2), Hatsumi Kobayashi1), Satoru Hisakado1),
Fuminobu Sato1), Yushi Kato1), Takayoshi Yamamoto2) and Toshiyuki Iida1)
1)Division of Electronic and Information Engineering, Graduate School of Engineering,
Osaka University 2)Oarai Research Center, Chiyoda Technol Corporation
【受賞理由】
マンモグラフィでは低エネルギーX線による被ばく線量を測定する必要があるが、低エネルギーX線の測定は難しい。
D. Maki君は、低エネルギーX線を測定するために新しいタイプのRPLガラス線量計を作成した。
これは検出部分が表面近くに存在するもので、これのテストを行った。
その結果、この線量計がマンモグラフィのために有用であることを示した。これは本学会にとって評価できる。
-以上-