20091009 | 日本放射線安全管理学会 平成20年度学術業績賞表彰について
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日本放射線安全管理学会 平成20年度学術業績賞表彰について |
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会長 桝本和義 |
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学術業績賞選考委員会より、本学会邦文誌第7巻第1号、第2号および英文誌第7巻第1号の中から平成20年度の受賞者を選考した旨報告があり、平成21年9月19日の理事会において下記のとおり承認されましたので、お知らせいたします。 |
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技術賞 |
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本学会では、作業環境中放射能濃度測定の意義について検討している。吉田正博君は、使用実績に基づいて作業環境測定実施の合理化を考えることを目的として、非密封放射性同位元素の使用数量および使用時の作業室内の実測換気量より空気中濃度を算出し、作業環境測定による実測値の結果と合わせ、作業環境測定免除のための具体的な基準について検討した。これは本学会にとって評価できる。 |
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研究奨励賞 |
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医療用小型サイクロトロンを所有している施設では、Ge半導体検出器を所有していないために中性子束を測定により評価していないことが多い。笠原哲治君は、医療施設でも評価が実現可能と考えられる方法として、食塩を試料として放射化させ、医療用IPを利用したオートラジオグラフィによる解析法を考案し、その測定条件および測定精度について基礎的な検討を行った。高価な検出器を所有していなくても工夫して対処しており、評価できる。 |
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研究奨励賞 |
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空気中RI濃度を計算するためには正確な飛散率を知ることが重要となる。川口佳彦君は、トリチウム標識化合物からモデルルーム内の空気中へ飛散する割合を測定し、標識化合物の購入からの経過時間と飛散率の関係を明らかにするとともに飛散状況の3次元画像化をIPを使用して初めて行った。このような研究は安全管理の上で重要であり、評価できる。 |
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研究奨励賞 |
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放射線に関するリスクの感じ方は、その職業などによって異なると考えられるので、この違いを考慮して教育訓練を計画することが重要となる。三浦美和君は、放射線被ばくに関係したリスクと関係しないリスクについて、それぞれのリスクの大きさを質問し、その回答が学部生、看護師、医師、大学院生でどのように変わるかを調査した。その結果、学部生、看護師は、放射線被ばくに関係するか否かに関わらず、他のグループよりリスクが大きいと感じていることがわかった。これらの結果は、今後の教育訓練を計画するにあたっても重要であるので、評価できる。 |
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